第一回全国うんこ例文コンテスト
3年生の部
文としてはいささか砕けすぎている印象ですが、端的で鋭い切れ味ゆえに例文としての体裁を保てていると思います。
とにかく「うんこは気にせず進め!」という切羽詰まった台詞から読み取れる情報が非常に面白い。
命令調ですから、この場面には、少なくとも「指導者」と「受け手」のような二者が存在するのでしょうが、指導者の言っていることはかなり無茶で、受け手側の困惑する表情も容易に想像がつき、可笑しみを誘います。
しかし、指導者も、もうそう叫ぶしか手がない状況なのでしょう。
退路が断たれているのか。はたまた、ここを前進できるかどうかで「受け手」の成長が左右される分水嶺的場面なのか。少ない語数で多くのイマジネーションを喚起させる、優れたうんこ例文です。
また、使えるテクニックとして、「うんこ」という単語はこのように緊迫したムードと相性が良いことを覚えておいてください。
ポジティブなエネルギーの塊のような素晴らしいうんこ例文です。
例文を読んでどのような光景を読み取るかは個々人の捉え方次第ですが、私は、人生という旅のわかれ道で、それぞれが自らの進路を定め、決意に満ちた表情を浮かべる場面を頭に描きました。
覚悟、希望、好奇心、不安、勇気。
そんな複雑な気持ちを抱きながら、
「ぼくはあの金色に光りかがやくうんこに向かって進みます」と宣言する、一人の男の子。
彼の行く先に、明るく豊かな道のりが待ち受けんことを。
応援します。
短い例文ですが、ユニークな世界観がさり気なく込められているため、読み手の想像力を刺激して楽しい気分にさせてくれます。
まず素敵だなと思うのは「うんこが進化すると丸くなるんだよ。」という、オリジナルの世界観。設定ですね。
進化というと複雑な形状になっていくように考えがちですが、よりシンプルな形に収斂していく、という発想が新しいし、実はアカデミックです。
また、「うんこが進化して丸くなった」や「うんこが進化すると丸くなる」ではなく、「かんぜんに丸いうんこに進化した」という言い回しに職人的技術を感じます。
「完全に」という副詞を添えることによって、逆に「そうか、じゃあ不完全な状態というものがあるのだな」と、「進化の過程」、「球状体への移行途中フォルム」への想像も暗に促している。
「進化」とはデジタルではなくアナログな概念であるという実に大事な本質を、鹿のうんこくん(8)は表現していると思います。