第一回全国うんこ例文コンテスト
1年生の部
「うんこに入り口を作る」という発想だけでも目の付け所がすばらしいですが、そこに「アリの」と具体的な言葉を添えたところが大事なポイントです。
こういった「具体性のある余計な一言」こそが、うんこ例文に奥行きをもたせるテクニックなのです。
具体性=ディテールを描きこむことで、リアリティが生まれ、読み手の心に映像が投影されやすくなります。
そして何よりも、アリのためにうんこに入り口を作ってあげるという行為には「愛」がありますね。
うんこ例文に求められる「ポジティブなヴァイブス」に溢れた名例文です。
「うんこ」と「入場」で例文を作るとしたら普通は「うんこを持って入場する」などになりがち。
そこを「うんこ(そのもの)が入場する」と大胆な情景にしているところに冴えを感じます。
最大のポイントは「さあ、続いては」という導入の文節です。
これによって、当該のうんこ入場のシーンのみならず、
「これまで他に何が入場してきたんだろう」
「うんこは何番目くらいの入場なのかな。やっぱり最後なのかな。」
と、「例文の前後」まで想像を膨らませることができます。
このように「時間の概念」を含んだ例文は面白さが格段にアップします。
「○○の中にうんこが入っていた」と空欄があったとしても「風船」というのはおそらく大人はあまり考えないと思います。
しかし想像してみると実に幻想的で美しく、かつ「どうやって入れたのだろう」と理科的な好奇心にも火をつけてくれる状況です。
こういった「不思議な光景」、「物理法則を無視した光景」を描き出した例(しかもシンプルな!)を作ることができるのは、かなりの上級者だと言えるでしょう。
実際の小学生が作るうんこ例文の素晴らしさの一つは、こういう「視点の発見」にあるのだと思いました。とても勉強になります。